田七こぼれ話

漢方堂店主 渡辺瑞泊

私は今年で40年目になる漢方薬専門店を経営していますが、漢方堂を本格的に始める数年前、製薬業界のフリーの記者として働いた経験があり、様々な生薬の取材をしていました。

ニクソン大統領も注目していた田七人参

今から44年前の1972年、この年は時の米国大統領ニクソンが電撃的な訪中をした「ニクソンショック」の年です。そしてこのニクソン訪中の約1年前、米国の大手製薬メーカー4社が訪中し、長期安定的に大量の生薬原料の買い付け交渉を行っていました。

この時「田七」が主要な交渉商品としてテーブルにのっていたのですが、理由はベトナム戦争時、ベトコンが腰にある小さな袋をぶら提げていたからでした。袋の中身は粉末で、西側諸国はこの粉の使用目的が判らず、米国国防省が調査を指示しました。しばらくしてそれが田七の粉末だということがわかり、ベトナム戦争でベトコンが銃創貫通による傷口からの出血を止めるために携帯し、銃創傷には田七を振り掛けることでいとも簡単に止血させていた事実を突き止めました。ペンタゴンの救命医療部門も軍用田七の存在に注目し、止血作用だけでなく、高血糖抑制作用を引き出す田七人参由来のパナキサトリオールの薬理作用である、血液から筋肉への糖の取り込み量を増加させ、高血糖を抑制する作用があることに気づいた事で、さらに注目するようになりました。

米国人は肉を多く摂取する食生活であるため、高コレステロールから冠状動脈に血栓が出来やすく、心筋梗塞、狭心症が非常に多発していました。国は発作止めにニトログリセリンを処方として出していたようですが、一部の米国富裕層は早くから田七をニトログリセリンの代わりに使用していたらしいのです。米国には建国以来、中国華僑が多く移住しており、漢方薬も米国に伝来していたのですが、華僑の人たちには田七の独特な苦味が心臓病に効くことを経験的に伝えられ知っていたため、それを聞きつけた米国の富裕層はチャイナタウンを通して輸入された田七を高額であるにもかかわらずニトロの代替薬として使用していたのです。

また、田七はC型肝炎など肝臓病にも一定程度効果があることがわかっていますが、私の長年の漢方薬の運用経験から、駆瘀血剤(血液の流れを良くする漢方薬)との組み合わせることでさらに作用することがわかっています。田七には血栓を溶かす作用と止血する作用という二面性がある生薬で、救急時には止血効果を期待でき、また慢性病の血栓を溶かす作用を期待して長期運用も出来るので生活習慣病改善剤としてこれだけ幅広く効果が期待できる田七は非常に優秀な漢方生薬だと言えます。

タイプ別「白井田七。」の活用

「白井田七。甕」の特筆すべき点は、無農薬有機栽培の田七を200年の歴史を誇る醸造法で熟成された「甕壺造り田七人参酢」を用い、さらに甘みとして羅漢果エキス、甘草を用いたのは漢方堂店主として感嘆しました。「最上の田七人参酢」に「最上の自然の甘み」を使用したくなるのは想像に難くありません。しかしそこに羅漢果エキス・甘草を選んだ白井さんには研究熱心であるのと同時に本当に良い物を造りたいのだという真摯な気持ちが伝わってきました。

「白井田七。甕」は飲みやすいスティックタイプ 子供から大人まで手軽に気軽に田七が摂取できます。オフィスや会社でさりげなく健康維持に役立ちます。今まで田七は苦いと遠慮していた方にもお勧めです。自然の甘みと田七人参酢が絶妙のバランスで本当に美味しいです。

錠剤タイプは飲みやすく普段サプリメントを摂取している人には慣れ親しんだ錠剤タイプがお勧めです。自由に服用する量が調整できるのも有難いですね。

瘀血などの症状でお困りの方には「白井田七。」粉末タイプをお勧めします。錠剤タイプや甕と比べると苦味を感じるかと思いますが、この苦味が田七本来の味なのです。本物の田七を直に摂ることは自分の体に真摯に向き合っている姿勢を表しているように感じます。

TPOに合わせて甕、錠剤、粉末と選べるのは非常に有難いことだと思います。累積効果が大事ですので毎日続けていくことが大事です。無理の無い範囲で継続することで長年の症状にも付き合いやすくなると信じています。

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